セルフお年玉に、元旦はスタハチ(SW8)@大阪万博フルサイズIMAXへ。

以下ネタバレ気味だが、ざっと文句を書く。(見てない人にはあまり意味がわからないように書くつもりなので、判読キーとしてやはり鑑賞後にお読みいただければ幸い。)

まず、メインストーリーのマッチョ高田純次の闇落ち葛藤は、爺様の金山一彦の時のそれと比べると正直身に迫るものがなかった。(対する牧瀬里穂の抵抗も、なんか記号的でピンとこない。)

あと、これはいつものことだが一連のシス設定のぞんざいさにも焦れた。ジェダイの歴史と伝統には散々時間を割くくせに、光と影として同じバランスで対置されているはずのシスの教義描写はあまりに薄い。使徒の相関関係にも哲学にもまったく時間を費やさず、「なんか気味悪い人達だから悪人」と言わんがばかりの蝋燭チックな造型のみで役割分担を済まそうとするのは、悪しきパターナリズムの典型。

その点Ep1〜3には、宮尾すすむの共和国議長/銀河皇帝一人二役=シスの具体悪のエピソード、ルーカス自身の「悪とは何か」という思想が投影されていてリアリティの範疇にあったが、ディズニーSWではそれがぽっかり欠け落ちているので、結果ジェダイ側の苦悩も表層的な「哲学ごっこ」以上に深まっていかない。口先だけの観念道徳劇になってしまっていて、(エンタメ的匙加減はわかるが)俺個人には乗れない感じが残った。

無論、四ヶ所のモジュラー劇をコンパクトに纏めたライアン・ジョンソン監督の力量は否定しない。だが、その力技のために、描写不足に思える部分が多々ある(牧瀬里穂がロクな訓練も受けないままあっという間にジェダイ化してしまったのは、ジェダイアカデミーの全否定ではないかとも思う)。

エグい話はもう十分だという人も多いかもしれないが、団次郎の学級崩壊との戦いも描写不足。リトル高田純次の悪魔っこぶりをワンエピソードだけでも入れるべきだったと思う(でないと『悪の教典』の生徒虐殺話で、闇落ちしたのは団次郎の方という話になってしまうーー実際そうだともいえるが)。

逆に赤木春恵の空中浮揚は尺の無駄。司令官入れ替え劇のために必要だったエピソードかも知れないが、普通に怪我させて寝かしとけばイイじゃんな話。(まさかあそこで『宇宙からのメッセージ』へのリスペクトシーンを見せられようとはw)修行を経ない超能力者が出て来すぎて、フォースのインフレ感が著しい。

あと、もう皆さん散々ツッコミ済みだと思うので、冒頭爆撃シーンの自由落下問題は俺が今更滔々と語る話ではないにしても、ちょっと宇宙舐めんなよ感は拭い難い。

天童よしみ+ブラック高嶋政宏の部分のエピソードは、スカイウォーカー家のお家騒動にローグワン成分を持ち込んだ、ディズニーSWの自己主張なのだと思うが、ぶっちゃけ、バッサリ切っても全然成立する要素ではないか。

ねっちりした宮廷劇因縁話とチャンバラだけ見ていたい時代劇脳の俺には、名も無き戦士の現場話との混在が腹にもたれた。フレンチのフルコース食いに来たら、合間合間に牛丼やカレーが出てくる感じで、水と油感が拭えない。(ルーカス期のハン・ソロの跳梁などはあくまで特権的なトリックスターの話なので、逆に削るとおかしくなるが)

そんなこんなで、機械的プロット優先、ディテールのボヤけた残念な作品に思えた。やはり当方は、過剰にエモーショナルでモダンさに欠けた、テンポ悪く暗く陰鬱で逃げ場のないEp1〜3=穴禁三部作が一番肌に合うタチらしい。

十分鑑賞料金分以上には楽しんだが、まあ通過点といったところか。

とりあえず最終評価は、98歳まで生きてEp30を見届けてからにしようw